結局いくらまで働ける?【2025年版 年収の壁】主婦・学生の扶養ルール最新まとめ

主婦・主夫の方や学生さんなど、配偶者や親の扶養内で働く方は、【年収の壁】という言葉を耳にしたことがありますよね。
「言葉は聞いたことはあるけど、詳細はよくわからない……」「どうやら制度が変わったらしいけど、結局のところ扶養内でどれだけ働けるの?」と疑問に思っている方も多いかと思います。
そこで今回は、25年12月時点の最新版【年収の壁】について解説します。
そもそも扶養って?
【年収の壁】の話の前に、そもそも扶養とは何かということを軽く押さえておきましょう。
扶養とは、主に生計を担う人が経済的に自立できない家族や親族を養うことを意味します。支援する側を「扶養者」、支援される側を「被扶養者」と呼びます。扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。
税法上の扶養:
被扶養者の所得税・住民税は発生しません。また扶養者は扶養控除や配偶者(特別)控除などにより、所得税・住民税が軽減されます。
社会保険上の扶養:
被扶養者が保険料を負担せずに扶養者の加入する健康保険の給付や医療保障を受けられる仕組みです。扶養者の社会保険料は被扶養者が増えても変わらないため、世帯全体の社会保険料の負担を抑えることができます。
「被扶養者」となるための主な条件は『年収要件』『生活維持要件』『年齢要件』があり、税法上と社会保険上で異なります。この中の『年収要件』が、いわゆる【年収の壁】問題に該当します。
【年収の壁】とは?
では、【年収の壁】について詳しく見ていきましょう!
前述の通り、会社員の配偶者などで一定の収入がない方は、被扶養者となり、自分や扶養者の税金・社会保険料の負担が軽減・免除される制度があります。【年収の壁】とは、税金と社会保険料の負担がかからない年収のラインで、パートやアルバイトの方には働き方を左右する重要な問題です。
税金・社会保険料のそれぞれで、またその中でも項目により異なる年収の上限金額=壁が設定されているので、注意が必要です。
2025年、税制上の扶養基準と社会保険上の扶養基準の両方で大幅な改正が行われました。今回の変更点を中心に、それぞれの壁について解説します。
税制上の壁
◆所得税(本人の非課税ライン):【103万円の壁】から【160万円の壁】へ
所得税は、年収から「給与所得控除」と「基礎控除」を引いた「課税所得金額」をもとに算出します。これまでは、「給与所得控除」55万円と「基礎控除」48万円の合計額103万円が非課税枠となっていました。103万円を超えなければ「課税所得金額」が0円となり、所得税は発生しません。そして課税所得が0円となることで、被扶養者となります。
これがいわゆる【103万円の壁】です。
2025年からは「給与所得控除」が55万円から65万円へ、「基礎控除」が48万円から58万円へそれぞれ10万円ずつ引き上げられ、合計の非課税枠が123万円になりました。
さらに、一定の所得以下では基礎控除に上乗せ措置があり、条件によっては年収160万円程度まで本人の所得税がかからない(非課税となる)ケースがあります。
※「扶養控除・配偶者控除(特別控除)」の適用可否は、扶養の種類(配偶者/子など)で基準が異なります。
◆配偶者控除・配偶者特別控除の引き上げ
配偶者を被扶養者としている扶養者は、「配偶者控除」・「配偶者特別控除」により世帯の税負担が軽減されます。
配偶者控除を受けられる被扶養者の年収(給与収入)上限が103万円から123万円に引き上げられました。これは、基礎控除額と給与所得控除額がそれぞれ10万円ずつ増額されたことに対応した変更です。
配偶者特別控除で満額(38万円)控除を受けられる被扶養者の年収(給与収入)上限が150万円から160万円に引き上げられました。また160万円を超えても201万6,000円未満までは、段階的に控除が受けられます。
※なお、扶養者の合計所得金額が1,000万円を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除のいずれも適用されなくなります。この所得制限は2025年の税制改正後も変更されていません。
◆特定扶養控除の引き上げと特定親族特別控除の新設
被扶養者が19歳以上23歳未満の子の場合、特定扶養控除として、一般の扶養控除よりも控除額が多くなります。この控除を受けられる子の年収要件が、103万円から150万円に引き上げました。
また、新たに「特定親族特別控除」を創設し、子の年収が150万円を超えたとしても188万円までは控除額を段階的に減らす仕組みを導入しました。
◆住民税:100万の壁から110万円の壁へ
住民税の課税対象となる年収ラインは地域によって異なりますが、目安は110万円です。2024年までは100万円でしたが、改正により10万円引き上げられました。住民税は前年の所得に基づく所得割と、定額で課せられる均等割の合計額を納めることとなります。住民税の金額はお住まいの自治体によって異なります。
大学生・高等専門学校生・専修学校生・職業訓練校の生徒などには「勤労学生控除」という非課税枠が認められています。これにより、学生の住民税非課税ラインは110万円ではなく134万円まで引き上げられます。
社会保険上の壁
◆被扶養者のまま働ける収入上限が拡大
現在社会保険上の被扶養者認定における年収要件は130万円です。これを超えると扶養から外れ、原則として自らが被保険者として健康保険・厚生年金に加入し、保険料を負担することになります。
(※勤務先の要件を満たさない場合は、国民健康保険・国民年金へ切り替えが必要になるケースがあります。)
ただし19歳以上23歳未満の子については年収要件が、従来の130万円未満から150万円未満に引き上げられました。これにより、多くの学生が扶養内で働けるようになります。
◆106万円の壁の撤廃
短時間労働者が社会保険に加入する条件のうち、賃金要件である「月額賃金8.8万円(年収換算約106万円)以上」という基準が撤廃されることが決定しました。
【年収の壁】を超えるメリット
ではこれらの壁を乗り越えて働くことは、デメリットばかりでしょうか?
実は必ずしもそうとは言い切れません。
税法上では年収110万円を超えると住民税が、160万円を超えると所得税が課税されます。ですが、例えば年収161万円の場合、住民税はほとんどかからず、所得税は160万円を超えた1万円分に対して課税されるので、実際は500円程度です。多少の税金を払ったとしても収入が増加するというメリットがあるでしょう。(※ただし扶養者の各種控除について別途考慮する必要があります。)
また社会保険上では、扶養を外れて自分で厚生年金に加入することで、老後の年金額が増えるだけでなく、もしものときの遺族年金や障害年金も増えます。また健康保険に入っていれば、病気やケガで仕事を休んだ場合に、傷病手当金を受けられます。出産で仕事を休んだ際にも、出産手当金が受け取れるメリットがあります。働けない期間に保障があるのは大きな安心につながるでしょう。
最後に
【年収の壁】は、社会情勢などに合わせ、今後も随時改正が行われると想定されます。働き方や手取り収入に大きな影響を与えるため、最新の情報を確認することが重要です。
自分や家族の希望・条件に合わせた働き方を知りたいという方、ぜひ経理サポートスタッフにご相談ください!プロのカウンセラーがおひとりおひとりに最適なアドバイスをいたします。